no.029

「バイクで駆ける日本列島:パート1『西日本』」
     1967年卒業 河原ゼミ 丸山 肇
   
 

 人生の節目の60歳を過ぎ日本列島縦断の[記憶に残る旅]を計画した。それ迄は仕事を通じて日本各地へは東京を起点としたハブの様なポイント旅であったが、今回の旅の目的は列島縦断をしながら日本の原風景と食と人との出会い,スケッチをしながら辿る一筆書きの旅である。

 5年前の6月、先ずは[西日本]東京から出来るだけ遠い九州を目指し、旅のスタートはデッキから夕焼けの都心のシルエットに見送られ東京湾からフェリーで門司に上陸した。そこから時計回りで九州を一周した後、豊後水道をフェリーで四国の愛媛県大洲に上陸、高知〜徳島〜香川を巡り松山から[しまなみ海道]を渡り尾道の友人にバイクを預けるまでの約3週間が「西日本のパート1」。預けたバイクを受取り「西日本のパート2」を9月に再開、約1ヶ月で広島をスタートして山陽、山陰、中国、近畿、北陸,中部を走り[西日本]の旅は完走した。

 時計周りのルートは海に囲まれた列島の常に海側を走る事になり県境の岬、峠、川を過ぎるとどんな風景に出合えるか8000kmに及ぶ旅は期待と発見、楽しみのツーリングであった。

 長崎では先輩の佐保さんの五島列島を望む大島の先端のC・ムーアー設計のシーランチを思わせるお宅を訪問、夕日を眺めながらテラスで奥様の手料理とワインを頂きゲストルームに泊まらせて頂いた。

 一人旅の楽しみは疲れを癒す目的も兼ね2、3日ツーリングが続いた後の温泉、火山国日本の特権で露天風呂、郷土料理と地酒は疲れた身体の充電には申し分ない。

 失われつつあるが海の囲まれ狭いと思われるこの島もその気候風土に相応しい暮らしと文化があり「地産地消」のスローフード、スモールコミュニティーの暮らしは変わらず存在していて、その特徴は街並等に観られ言葉、食にもその土地のアイデンティティーが観てとれる。

 旅の手段に選んだのは200km/日を目安にバイク、高速は走らず風景を楽しむ目的の中型・オフロード車、まさに愛馬と言った感じのいい相棒であった。

<続く>

西日本を巡る旅のブログ
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[プロフィール]    
丸山 肇
   1967年卒業 河原ゼミ
   

1944年生まれ
1967年法政大学建築学科卒業(河原ゼミ)
   卒業後山田水城建築設計事務所に勤務
1987年大学の友人とスタジオ・バッフィ設立現在に至る
大学時代デッサングループ(建築研究会)に所属
クラブ活動を通じスケッチを始める