no.030

「バイクで駆ける日本列島:パート2『東日本』」
     1967年卒業 河原ゼミ 丸山 肇
   
 

 日本列島縦断の[記憶に残る旅・西日本]を完走してから5年経過した今年の7月、満を持して[東日本]のスタートを切った。この間、股関節の手術や昨年の「東日本大震災」等々、北に向かう東北、北海道の旅の時期は夏に限定された結果でもある。今回も前回と同様、仕事を兼ね富山から日本海沿いに北上して青森まで走り函館に上陸、北海道を時計回り再び青森の下北に上陸して東北〜関東〜甲信越と太平洋を南へ辿る旅であった。

  日本海沿岸は山が海に雪崩落ちる地形が多く厳しい自然環境の中、日本海を巡り交易した北前船の「歴史と文化の痕跡を辿る旅」で、北海道は大自然に押し潰されそうなどこまでも続く広い空と大地、変わらぬ景色で「走りを楽しむ旅」であった。東北の青森から岩手迄の三陸沿岸は記憶に新しい復興が進まぬ[東日本大震災]の街を巡る「鎮魂の旅」であった。

  バイク旅は事前に地図を眺め、辿る街や訪ねてみたいスポットの確認をする事から既に始まっていて、マニュアル化されない一人旅は自己を認識する旅でもある。ナビに頼らず翌日のルートと宿泊地をインプットして走る旅行は、常に「感じる事」「想像する事」「実行する事」の連続で予測出来ないリスクにどう対応するか?など私達建築に携わる者に限らず現代社会では失われつつある感性の呼び起こしを再認識させ、15000kmに及ぶ列島縦断のバイク旅は9月に無事完走出来た。
大学まで20年、卒業して仕事を続けて45年、この年齢になって考えた旅は遠く離れた恩師、ご無沙汰している友人達との再会も兼ねていて、いわば「温古知新」懐かしさと自分自身の積み重ねて来た歴史と人生を知る旅でもあった。

  辿った日本の地図を壁に貼り改めて観てみると、マーキングしたルートやポイントを観るたびにその場所の情景が甦ってくる。一つの旅が終わり又、新しいスタートが待っている。まだまだ未知の場所を求める思いは挑戦し甲斐があり、日本を終えた今、アメリカ大陸、東海岸・シカゴから西海岸・サンディエゴまでの「ルート66」など魅力的なルートは想像するだけでもワクワクする。

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[プロフィール]    
丸山 肇
   1967年卒業 河原ゼミ
   

1944年生まれ
1967年法政大学建築学科卒業(河原ゼミ)
   卒業後山田水城建築設計事務所に勤務
1987年大学の友人とスタジオ・バッフィ設立現在に至る
大学時代デッサングループ(建築研究会)に所属
クラブ活動を通じスケッチを始める