no.080

個と集合
   

森川久美子(2012年修了 永瀬研究室) 


 建築学科のOBOGエッセイリレーで書くのもいかがなものかと思いつつ、しかしながら法政大学OBOGであるということで、建築のことではありませんが、学生時代のことを、少しばかり書かせていただきます。

 突然ですが、「法政大学第二体育会バドミントン部」という団体をご存知でしょうか。

 どんな団体かといいますと、字面の通りバドミントン競技の部活動であります。ご存知の方も多いかと思いますが、法政大学にはかって夜間部があり、2012年に廃止されました。その夜間部(2部)に「法政大学2部体育会」があり、文武両道を掲げた歴史ある大学公認の体育会です。現在はその名前を「法政大学第二体育会」と改め、継続しています。法政大学第二体育会バドミントン部は、「体育会」と同じ全日本学生バドミントン連盟の各地区連盟である関東学生バドミントン連盟に登録する部活動として、2017年1月現在、男子3部、女子4部リーグで大会に出場しています。

 大学入学前、周囲から大学とは「やりたいことをやる、できる」場だと教えられ、それに対し意気込み、やりたいことをやるための2足のわらじとして、「建築学」と「バドミントン競技」を履きました。

 自称生粋の体育会として、バドミントン競技に対し「完全燃焼」を掲げ法政大学第二体育会バドミントン部に入部し、多くの方に支えられながら4年間の部活動、また、最終年には主将を務めさせていただきました。その間には、全日本バドミントン選手権大会に出場したり、連日徹夜して課題をやり部活に行き虫垂炎になったり、団体3部リーグ3位(関東16)の成績を残せたりと、競技を続けてなければ経験できなかった多くのことを経験しました。中でも、一番貴重であったことは、分野を超えて先輩後輩友人が出来、かつ背景の多様性のある学生が所属するチームの中で、一つの成果を共有できる自信と満足感の経験だと思います。

 「個」でできないことも「集合」すれば成しうることが沢山あることを、身を以て体験できたと思います。

 取り留めもない経験談ではございますが、そんなチームが、言うならば存続の危機にあります。夜間部が無くなった今、方々より当団体の存在意義を問われています。「第二体育会バドミントン部」を知ってもらい、多くの法政大学OBOGの理解と支援を得ることが、実は他にも書きたいことが沢山ある中で今回上記を書くこととした理由です。(※少々欲張って書き足してますが)

 存在意義を語り始めると、とてもここでは語りきれませんが、今所属し日々努力している学生のためにも、応援いただければ幸いです。

 現在は仕事の傍ら、週末バドミントンを続け、卒論・修論でお世話になった「小菅村」(※1)で学生時代から毎年、周遊型イベント「こすげお散歩ゆ〜の路(みち)」(※2)を開催したり、国際交流(※3)を行ったりといった日々を送っています。「個」で出来ないことは「集合」すれば成し得、さらに良いものになる事を信じて、多くの人にとって良いコト・モノをつくり続けていきながら、その側面で自然的文化的資源を考えていくことは、私のテーマです。

 幸運なことに、仕事においても「個」で出来ないことは「集合」で乗り越えることの出来る、国や文化、分野もキャラクターも多様性のある職場で日々奮闘しています。その成果を共有できる時間を楽しみに、精進していきたいと思います。

 

「やりたいことをやる、できる」永瀬ゼミのみんな、
そして 故 永瀬克己先生に心からの感謝の気持ちを込めて

 

 

 
3部入賞時(女子)
   
 
  横断幕
   
 
  小菅村
   
  右から、自分たちで伐りだし・製材・施工した東屋、小菅の窯土で作ったアースオーブン、へっつい
   
   
 
   
 
[プロフィール]    
森川 久美子 2012年修了 永瀬研究室

   
(もりかわ くみこ)
埼玉県入間市出身。
2010年 永瀬ゼミ卒業。
2012年 永瀬研究室 修了。
2013年 ものづくりサークルSORA設立
2012年4月〜
株式会社プランテック総合計画事務所
バンコク、ベトナム事務所滞在(短期研修)
現在、東京第一設計室所属(ホテル、駅舎、スキー施設 意匠設計担当)、
ものづくりサークルSORA OB会長