法政大学建築同窓会メルマガ

No.026

  2012年05月25日発行
     
   

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□法政大学建築同窓会ニュース[Number026](2012年05月25日発行)
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東日本大震災で被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げます。
皆様の安全と被災地の一刻も早い復旧をお祈りいたします。
 5月22日に東京スカイツリーが開業されました。独立した電波塔としては世界一の高さを誇る塔。
開業日はあいにくの雨ながらこれから周辺の商業施設ともども多大な経済効果を生むと予想されています。
今まで西へと発展してきた東京のバランスを取る様にして建てられた東京スカイツリー。存在自体に
賛否両論あるとは思いますが、まずは一度は展望台に登ってみたいものです。皆様いかがお過ごしでしょうか。
法政大学建築同窓会のメルマガ26号をお届けいたします。
お仕事の合間のひと時をお付き合いいただけると幸いです。http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/
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目次
1.第15回法匠展・50のご案内
2.渡邉真理先生日本建築学会賞作品部門授賞
3.「復刻 デザイン・サーヴェイ」出版
4.なかだえり水彩画「蔵展13」のご案内
5.デザイン工学部・デザイン工学研究科完成記念講演会のご案内
6.リレー・エッセイ(富永ゼミ 金田真聡)
7.編集後記
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1.第15回法匠展・50のご案内
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三鷹駅北口武蔵野芸能劇場にて、6月15日(金)〜19日(火)の期間で第15回法匠展・50が開催
されます。それに先立ち、出展者を募集しています。ぜひふるってご参加ください。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/houshou/2012/houshou2012_info.pdf
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2.渡邉真理先生日本建築学会賞作品部門授賞
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本年度日本建築学会賞作品部門を法政大学建築学科教授、渡邉真理先生の設計された「真壁伝承館」が
受賞しました。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/event/20120428/gakkaishou2012.html
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3.「復刻 デザイン・サーヴェイ」出版
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60年代に法政大学宮脇ゼミと明治大学神代研が雑誌建築文化に発表したデザイン・サーヴェイの復刻版が
出版されました。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/event/20120513/design_survey.html
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4.なかだえり水彩画「蔵展13」のご案内
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2000年陣内研究室卒業のイラストレーター、なかだえりさんが個展を開催いたします。
なかだえり水彩画「蔵展13」2012年5月26日(土)〜6月3日(日)13〜17時。
http://www.nakadaeri.com/
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5.デザイン工学部・デザイン工学研究科完成記念講演会のご案内
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6月9日(土)15:00より、デザイン工学部・デザイン工学研究科完成記念講演会が、外濠校舎において
行われます。ぜひご参加ください。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/event/20120609/lecture_120609.html
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6.リレー・エッセイ
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「ドイツへ」
2007年修了 富永ゼミ 金田真聡
ドイツへ
 4月からドイツベルリンに引越した。ベルリンの設計事務所で働くためだ。もともと海外で
設計をしたいという夢は学生時代からあり、大学院を卒業後5年間働いた日本の会社を辞め
ドイツに来た。
始まり
 きっかけは、前回のリレーエッセイをー担当されていた小林さんの言葉だった。とりあえず
一年後に海外の設計事務所に行くことを決意し、ニューヨークで働いた経験を持つ小林さんに
会いに行った。そこで、「海外に行きたいのは良くわかったけど、そこで何をやるかをしっかり
決めないと。たとえそれが後で変わっても全然大丈夫。例えばドイツで環境建築の勉強するとかさ!」
この時始めてドイツという国が候補として浮上し、翌日からドイツに関する本や記事を読み漁った。
元来猪突猛進タイプの私は、調べれば調べるほどドイツの魅力に取り憑かれ2ヶ月後には目的地を
ベルリンに 絞っていた。とりわけ「環境」というキーワードの意味が自分が建築に対して大切に
思うことと一致した事が大きかった。私にとって環境配慮というのは、最新の省エネ技術やエコ商品を
使う事だけではなく、古いものを長く使うことだった。ドイツにおける古いものを大切に使う文化と
日本に負けず劣らずの技術の融合に魅力を感じた。
学生時代からの思い
 今思えば、修士設計で行った尾道市庁舎の設計も個性を失って行く地方都市をテーマに行ったもの
だった。短期的な視点での経済効率を上げる画一的な開発手法と建築群が、反対に長期的な効率を
落とす事に問題を感じていた。そして最も大きな問題は、そのような環境では建築や都市を文化の
要素、記憶の一部であるという考えをもてなくなっていってしまうことだと考えている。
ヨーロッパでは、歴史は単に学校や本で学ぶ事では無く今も目の前に存在し自分がその延長線上にいる
のだと日々感じる。今、人々が魅力を感じる街は京都や奈良をはじめ歴史や個性の残っている街だ。
また外国からの観光客が魅力に感じるのは、まさにそういった場所や文化である。その事を考える中で、
陣内秀信先生から聞いた「一周遅れのトップランナー」という言葉を思い出した。モータリゼーションに
取り残されたベネチアが、中心市街地に車を入れないという発想に世界が変化したことで、トップ
ランナーになったという状況を評して仰った言葉だ。
設計を通して感じること
 ドイツでは、解体して新しく作った方が経済的には合理的だと思える建物も利用することが多い。
ベルリンでもアルトバウ(古い建物の意)と呼ばれる古いアパートの方が人気がある。また現在私が働く
事務所も100年以上経過した建物でお世辞にも外観は綺麗とは言い難いが、内部は非常に美しくリノベー
ションされ窓は全てペアガラスのサッシュに取り替えられている。そして私が携わるベルリン中心部の
集合住宅の計画も、当初は全て新築の予定だったが、デベロッパー側からの強い要望で敷地内の既存の
建物に接続する計画に変更された。単に木の文化、石の文化の問題で片付けるのではなく、実行しようと
する意欲の高さに大きな差があると感じる。ドイツでは長期使用の考えと環境技術開発が相乗効果を
生んでいるのだろう。
世界を広げる
 一方技術開発のスピードや普及率ではやはり日本の方が進んでいると自信をもって言える。ドイツ人は
自分の目で見て、使って実感しないとなかなか新しい物に乗り換えないという。トイレの衛生機器で、
タンクレスや節水型等は見たこともない。またLEDもほとんど普及していない。但し、新しいものを製造
するための資源やエネルギー、取り替え時に発生する廃棄物などをよく考える必要があると思う。ゴミの
分別に関しては日本の方が断然きめ細やかだ。一方ドイツでは無駄な包装を極力減らす事に重点がおかれ
ているようだ。冷凍ピラフの箱を開けると箱にそのまま凍ったピラフが入っていた時はさすがにおかし
かったが。現在の私はこういった日独両方の特徴を理解し、双方の架け橋として働けるようになりたいと
いう夢を見つけた。そしてこの過程の中で、何度も何度も相談に乗ってくれた友人達、励まし送り出して
くれた先輩や後輩、たくさんの人達に支えられている事を感じられた事が、何よりも大きな財産となった。

http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/essay/essay.html
リレーエッセイは編集部から依頼するとともに随時募集もしております。
是非奮ってご応募下さい。詳細は下記アドレスからどうぞ。
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7.編集後記
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 東日本大震災により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

 冒頭文に書いた東京スカイツリー。様々な書籍が書店に並べられておりますが、その際には同窓生
新良太さんの公認写真集「TOKYO SKYTREE」はいかがでしょうか。2年半に及ぶ長期撮影で東京の
新しいランドマークの姿に迫っております。

http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/event/20120316/tokyo_skytree.html

 今回のエッセイは前号の小林氏の薫陶を得てドイツにて設計活動を始めた金本氏のエッセイです。
小林氏の前編と後編の間に挟まる様な構成になりました。小林氏の後編が掲載される来月号もお楽しみに。

 編集部では、法政大学及び卒業生に関する情報をお待ちしています。どのようなことでも結構ですので
編集部までお送りください。又、メルマガへの購読登録をまだしていないお知り合いがいましたら是非
購読を進めて下さい。
 このメルマガを通して建築学科卒業生の輪が広がることを望んでいます。(編集後記担当:鈴木)
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