法政大学建築同窓会メルマガ

No.040

  2013年07月25日発行
     
   

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□法政大学建築同窓会ニュース[Number040](2013年07月25日発行) 
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東日本大震災で被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げます。
皆様の安全と被災地の一刻も早い復旧をお祈りいたします。
関東は予想通りの渇水状態。もうすぐ出水制限も出そうですね。
そうかと思うと天候不安定になりゲリラ豪雨。夕立よりもスコール気味なので気象用語ではなくてもついつい使って
しまいます。
それ以上に山形などの大雨には心痛む次第です。
さて、メルマガ40号をお届けいたします。
お仕事の合間のひと時をお付き合いいただけると幸いです。http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/
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目次
1.邉真理先生の真壁伝承館が第54回BCS賞を受賞
2.55/58年館についてブログのご案内
3.リレー・エッセイ(沼 俊之)
4.編集後記
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1.邉真理先生の真壁伝承館が第54回BCS賞を受賞
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渡邉真理先生の真壁伝承館が第54回BCS賞を受賞しました。又、特別賞として、西沢立衛設計、佐々木睦朗先生が
構造設計をされた豊島美術館が選ばれました。
http://www.nikkenren.com/activity/bcs/result_year.html?y=2013
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2.55/58年館についてブログのご案内
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66年建築学科卒の小川挌さんが、ご自身のHP「近代建築の楽しみ」で、55/58年館を取り上げています。
55/58年館の魅力と建て替えの愚について、とてもわかり易く書かれているので、ぜひご覧ください。
http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/event/20130530/nama.html
http://www.bunka.go.jp/bijutsukan_hakubutsukan/shiryokan/
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3.リレー・エッセイ
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「想定外とテクノロジーアセスメント〜中学生への『技術』教育の実践」
1979年卒業 半谷ゼミ 本間 正彰
 私は現在、埼玉県の県立工業高等と、千葉県、埼玉県の私立中学3校で「技術」、「発電・送電システム」、「情報」を
担当しております。
  私が建築を目指した動機は高校2年生の時に開催された大阪万博のパビリオンをテレビで見たことでした。特に大スパン
構造物に魅せられ、構造の名門法政大学に入学できました。後年大学院2年の時、川口衛先生が構造を担当されたお祭り
広場の解体解析を阿部優先生の指導でお手伝いしたのが自慢の一つです。私は団塊世代の最後に属しますが日本の高度成長期
に仕事ができ、ものづくりの楽しさを享受できた最後の世代なのかも知れません。
  近年、中学、高校生の理科離れが叫ばれ、かつてものづくり国家を誇った日本の若手技術者の質の低下が問題視されて
おります。加えて2011年3月11日の東日本大震災と直後に起こった福島原発事故を契機に日本の技術に対する信頼が
揺らいでいます。
  工学、特に構造学(強度設計)はどのような外力が作用するかを「想定」することが基本となりますが、今回の津波や
原発事故では「想定外」が一時免罪符のように関係者から語られましたが、あの震災以降「想定外」は許されなくなりました。
  私は五十代前半までプラント構造物の設計に携わって参りました。特に原子力発電プラントや核燃料サイクル施設の
建設にも携わってきた経緯と反省から、東日本大震災に起因した福島原発事故の後始末、すなわち今後数十年から
数百年掛かると言われる放射性物質の除染、原発再稼働論議、再生エネルギーへの転換等、我々の世代の「負の遺産」を
担わざる得ないこれからの世代に、日本の技術の現状とともに、事故や失敗を通して学ぶ意義を伝えていく事の義務感の
ようなものを感じております。
  中学校での唯一の実業科目にして総合科目である「技術」の教育目標は時代と共に単なる「ものづくりの方法論」から、
地球環境との共存、エネルギーの有効活用、高度最先端技術や情報化社会での「技術評価能力」(テクノロジーアセスメント)
の育成へと変わってきております。今年度は座学ではNHKの原発関連番組
(http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0310/ http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0317/)等を
ビデオで見せながら生徒達の技術社会で生き抜く力を身につけさせることを試みました。最後に生徒達に課した
考察小論文を2本紹介します。
  『放射性廃棄物の処理方法が現在でも明確に決まっていないことは問題だ。なぜなら放射性廃棄物の処理方法こそ
日本の原発建設計画ができたときに話し合っておくべき事項だからだ。広大な国土を持つ米国などと違い日本では
固有の地形や風土が放射性廃棄物処分の妨げになることが分かっていたはずだし、そもそも処理技術自体が未解決の
課題を多く抱えている。過去の日本の経済成長期に目先の利益に目を奪われて原発を作ってしまったことが良くないと思う。
だから私は、次の世代を担ってゆく私達が大人になったときに放射性廃棄物の処理についてどのように考え、どのような
結論を出せるかが非常に重要だと思う。』
  『毎日テレビから流れる福島原発の悲惨な状況は日本だけでなく世界中に衝撃を与えた。このような状況を知ることが
できたのは紛れもなく、人間には侵入不可能な所に入っていけるロボットのおかげである。しかし、高レベルの放射能
環境下やガレキが散乱した現場で適応できるロボットの導入はまだ完璧ではない。私はこれからのロボットの機能の発達に
期待するとともに、建設機械も含めて制御技術の研究開発は震災や原発事故被災地の復興に必要不可欠だと思う。』
  若い世代に期待したいと思います。http://www.hosei-archi-ob.sakura.ne.jp/essay/essay.html
リレーエッセイは編集部から依頼するとともに随時募集もしております。
是非奮ってご応募下さい。詳細は下記アドレスからどうぞ。
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4.編集後記
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 東日本大震災により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
 選挙の季節も終わり世の中の動きも変わりつつあるかもしれません。法政大学市ヶ谷校舎55/58年館関連でも大学からの
動きがあり、法政大学55/58年館の再生を望む会でも対応に追われております。
 こういうときこそ何が大切か今一度考えるべきときなのかも知れません。
 法政大学55/58年館の再生を望む会についてはHPから活動状況を把握いただけると幸いです。
http://www.55-58saisei.sakura.ne.jp/
 編集部では、法政大学及び卒業生に関する情報をお待ちしています。どのような情報でも結構ですので、
編集部までお送りください。
 又、メルマガへの購読登録をまだしていないお知り合いがいましたら是非ご購読を勧めて下さい。
 このメルマガを通して、建築学科卒業生の輪が広がることを望んでいます。

(編集後記担当:鈴木)
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