2018年度 大江宏賞公開講評審査会

第15回を迎えた大江宏賞公開講評審査会は、2019年3月16日(土)法政大学市谷田町校舎5Fマルチメディアホールにて開催されました。

審査は例年同様、外部の特別審査員3名とOB審査員3名に加えて、今年度から修士設計の指導にあたられている審査委員長の大野秀敏大学院客員教授の計7名で行われました。エントリーした学生は、25名参加の学内審査から選ばれた6名でした。個々の10分の発表・質疑応答ののち、全体議論を経て各審査員が作品2点に投票を行い、さらに票数の多い3作品に対し議論し、2回目の決戦投票で最優秀作品に絞り込まれました。

 今年は、個々の作品ごとに個性的なプレゼン表現が印象に残りました。2作品が海外都市での計画であったことに象徴されるように、学生の多元的な問題意識を垣間見ることもできました。

その中で、盲目者の空間認知を拠り所にした阿部りささん、ハノイ旧市街密集地の再生を的確な分析をもとに提案したゲェン・クァン・トウアンさん、都市の狭間の有用性の再発見を促す空間的仕掛けを提案した藤田彩加さんの3作品が決選投票となり、視覚に頼らない新たな空間指標の展開への期待が評価されて阿部りささんが見事大江宏賞を受賞し、大江宏賞運営委員会より受賞メダルと賞金が手渡されました。 

なお、この日の6名の候補者は発表順に以下の通りでした。

1. 有廣愛恵  「Miljøvennligとこれからの街の在り方―トロンハイムにおける輪の構築」   (渡辺研究室)

2. Nguyen Quang Tuan ゲェン クァン トウアン 「ハノイ旧市街における集合住宅の提案」 (渡辺研究室)

3. 阿部りさ 「盲目から空間をつづること―ブラインドアーバニズム―」          (渡辺研究室)

4. 河原伸彦 「これからの地域圏を想像してみる―大玉村での活動と建築計画案―」     (高村研究室)

5. 中島滉平 「市民力がもたらす新しい公共性―自発的労働がつくる町―」

       (第17回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2019 優秀賞)        (赤松研究室)                                  

6. 藤田彩加 「漂流の空間的範囲とその居場所」                     (北山研究室) 

 


審査員:審査委員長 大野秀敏 (アルプデザインワークショップ/法政大学大学院客員教授)

    特別審査員 池田 昌弘(MASAHIRO IKEDA co., ltd)

          篠原 聡子 (空間研究所/日本女子大学住居学科教授)

          野沢 正光 (野沢正光建築工房)

    OB審査員     種田 元晴(種田建築研究所/法政大学兼任講師)

清水 航太(日建設計)

中込 亜矢子(NENGO)

       


有廣愛恵   Miljøvennligとこれからの街の在り方―トロンハイムにおける輪の構築」     (渡辺研究室)

2、 Nguyen Quang Tuan ゲェン クァン トウアン 「ハノイ旧市街における集合住宅の提案」(渡辺研究室)

3、 阿部りさ 「盲目から空間をつづること―ブラインドアーバニズム―」          (渡辺研究室)

4、 河原伸彦 「これからの地域圏を想像してみる―大玉村での活動と建築計画案―」     (高村研究室)

5、中島滉平 「市民力がもたらす新しい公共性―自発的労働がつくる町―」          (赤松研究室)

6、藤田彩加 「漂流の空間的範囲とその居場所」                      (北山研究室)